土浦の魅力の復活(4)

土浦一高から中央一丁目までの水戸街道沿いの家並みの整備については、石川県輪島市の例が参考になる。 
輪島市も土浦市と同様に、中心商店街が、空地や空き店舗などの発生により連坦性が弱く、商店単体の活力も低下するなど、賑わいが不足してしまっていた。 これらの問題点を踏まえ、中心商店街として快適に買物ができる環境、滞在型観光への転換、商店街全体としての活性化、という三つの課題に絞って取り組んだ。 
この計画の特徴は、街路整備と沿道の街並み景観形成を一体的に行う画期的な事業で、「輪島・都市ルネッサンス石川都心軸整備事業」と銘打って平成8年に着手した。
中心市街地に進行する空洞化に歯止めをかけ、中心市街地を整備することにより「まち」全体に活力を呼び起こし、本来の賑わいを再生するというもので、 特筆すべきことは行政主導ではなく、地域に住む人たちが自分たちの住む街をどうするかを考えて行政に提案し、行政がこれに支援・協力するという方式をとっている点である。 したがって市民主導で進められ、学識経験者、市民代表、行政関係者等で「輪島・都市ルネッサンスまちなみづくり部会」を発足させて、輪島市らしいまちなみを再生するための「まちなみルール」を策定した。
「まちなみづくり部会」では、輪島市の中心部の景観の調査からスタートして、輪島らしさ、輪島固有性について認識を高めながら建物に残る輪島美に加え、神社や井戸、路地、植栽など建築物以外の要素も検討課題に入れた。 建て替わるすべての建築物を対象に、モデル住宅、モデル店舗としてのイメージをつくりながら住民、工務店、設計者などを集めた説明会で「まちなみルール」協定を承認し、沿道建築物の建て替えを行った。 平成9年に6軒、その後毎年10軒程度の建て替えが進められて、今は立派な街並みが形成され、当初の目的は達成されて賑わいが復活している。