土浦の魅力の復活  (1)「土浦城の復元」

活性化に対するいろいろの検討がなされているようだが、要点は中心市街地に進行する空洞化に歯止めをかけ、中心市街地を整備することにより「まち」全体に活力を呼び起こし、本来の賑わいを再生することであろう。 そのためにどのような整備をすれば、街の中心部に人を集められるかということを考えてみたい。
石川県は平成27年に開通する上越新幹線の完成を目指して、金沢城の復元事業を進めている。 事業の性格は都市公園事業として位置づけ、都市計画決定を平成8年に受けた。 金沢城の復元と言っても、石川門などの重要文化財については、文化庁の指導のもとに忠実に復元工事を行っている。 が、その他については史実を尊重して、都市公園事業として整備を進めているのが味噌だ。 城の中にある急な階段などには手すりが施されているが、当時の城に手すりなどはない。観光客の安全のためにつけているのだ。 その他、観光客の興味を優先した仕掛けが随所に仕掛けられている。特に目につくものに、伝統的な木造軸組み工法に加えて、階段昇降機やエレベーターなどを設置し、二階まではバリアフリーとなっている五十間長屋などがある。 
事業の目的は、金沢城の貴重な歴史的文化遺産を後世に継承し、金沢市のシンボル公園として歴史・文化・伝統を継承する「象徴」として交流人口の拡大と中心地区の魅力向上を図る工夫をしているのが注目される。
全体の面積22,4ヘクタール。予算は200億円。 国の補助金は100億円。都市公園事業なので国交省が担当する。 したがって文化財を担当する文化庁と比べて事業のスピードは格段に速い。 
土浦市の場合、土浦城の復元を都市公園事業として整備したらどうだろうか。 東西櫓と櫓門は文化財として既に修復が終わっているので、貴重な文化遺産と良好な緑を保全しながら、江戸後期の城郭の地割を基に、史実を尊重して公園として整備をする。 土浦城は平城と言われているが、往時の城郭の雰囲気が感じられるものを優先し、歴史が偲ばれる公園として整備する。 土浦市のシンボル公園として整備するのであるから、土浦市の豊かな文化土壌に一層の厚みを加えるという意味から、菱櫓など歴史的建造物の復元を柔軟に考え、史実にはないが天守閣などがあってもいいのではないか。
公園マーケットの建物は取り壊して、川口川や桜橋も復元し、濠の水を霞ケ浦まで通す。 復元の範囲は可能な限り広くしたい。 旧鷹匠町や築地町に残っている歴史的な建造物を修復し、北門の跡あたりまでを基本とし、 南側は旧中城通りぐらいまでとしたい。
さらに具体的な整備に当たっては、城郭、史跡などの専門家や有識者、市民の代表の方など多くの人達の意見を聞きながら進める事が重要だろう。              以下次回

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